レジ袋有料化 意見交換会

先行有料化実施企業と
小泉環境大臣との
オンライン意見交換会

本年7月のレジ袋有料化の施行に先立って、独自に有料化を実施されているイオン株式会社、日本チェーンドラッグストア協会から、有料化後の実施状況等について、それぞれご報告頂き、意見交換を実施致しました。

先行有料化実施企業と小泉環境大臣とのオンライン意見交換会

■開催日時: 2020年6月18日(木) 16:00~16:30
■出席者:
・イオン株式会社
ー 執行役 三宅香氏
ー 環境社会貢献部部長 鈴木隆博氏

・日本チェーンドラッグストア協会
ー 会長 池野隆光氏
(ウエルシアホールディングス株式会社代表取締役会長)

ー SDGs推進委員会委員長 塚本厚志氏
(株式会社ココカラファイン代表取締役社長)

ー SDGs推進委員会副委員長 德廣英之氏
(株式会社トモズ代表取締役社長)

ー 事務総長 田中浩幸氏

・環境省
ー 小泉進次郞環境大臣
ー 冨安健一郎リサイクル推進室長
(※6月18日開催日時点)

ユニークな取り組みでレジ袋使用量を着実に減らす!
(イオン株式会社)

いち早くマイバッグを推進し、全店舗でレジ袋無料配布を終了

いち早くマイバッグを推進し、全店舗でレジ袋無料配布を終了

三宅氏:
イオンではレジ袋削減・無料配布終了に向け、1991年の買い物袋持参運動から始めました。当時は無料のレジ袋も配布していましたが、「お買い物袋を持参してください」と呼び掛ける活動を16年間続け、その後2007年、京都の東山二条店において全国チェーンで初めてレジ袋有料化に踏み切りました。グラフが示す通り、東山二条店に続き無料レジ袋を中止する店舗を徐々に拡大していき、2019年までに全7,775店舗で終了しました。レジ袋の辞退率も年々上がっており8割に達しています。

小泉環境大臣:
なるほど。長年、レジ袋削減に向けた取り組みを続けていることに、敬意を表したいと思います。

環境意識の高い消費者にレジ袋辞退が定着

環境意識の高い消費者にレジ袋辞退が定着

三宅氏:
レジ袋無料配布終了後2020年4~5月のお客さまからのご意見のグラフのとおり、実は、有料化そのものに反対する声は7%と、とても少ないのです。

小泉環境大臣:
無料レジ袋配布中止に関して消費者からの反対意見が少ないというのは、環境省としてはとてもうれしく、勇気づけられるお話です。

ウィズ・コロナの時代にもマッチ。買い物かごレンタル「マイバスケット」

ウィズ・コロナの時代にもマッチ。買い物かごレンタル「マイバスケット」

三宅氏:
イオンでは2018年から買い物かご「マイバスケット」の取り組みも始めています。これはデポジット(預り金)398円でお買い物かごをレンタルするもので、メリットは、かごごとお持ち帰りいただけるので精算後に袋詰めしなくていいこと。グラフはマイバスケットの販売実績の推移ですが、順調に売り上げを伸ばしています。

小泉環境大臣:
2020年に入って飛躍的に伸びていますね。レジ袋有料化の影響でしょうか。

三宅氏:
それもあると思いますし、加えて新型コロナウイルスの影響だと思います。「3密」を心配する声があるなか、荷物を詰め替えるサッカー台に寄らずにかごごと持ち帰れるマイバスケットが喜ばれているのではないかと思います。

鈴木氏:
マイバスケットは、スタート時は1色だったのですが、2019年にピンク、緑など多色展開にしました。レジ袋辞退率が8割で高止まりしているなか、残りの2割にどうアプローチするかが、私たちの課題です。

調べてみると、主に若い世代の辞退率が低いことがわかりました。そこで、マイバスケットを若いお客さま好みの色にしたり、若い人向けのマイバック販売などの試みも行っています。

みんなで#マイバッグキャンペーン

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富士山18個分にも上るレジ袋の削減を目指せ!
(日本チェーンドラッグストア協会)

いまや全国に2万店。日本に定着したドラッグストア

いまや全国に2万店。日本に定着したドラッグストア

田中氏:
日本チェーンドラッグストア協会の設立は1999年。当時ドラッグストアは日本全国に約1万1000店舗、売り上げは業界全体で2.6兆円でしたが、2019年には店舗数約2万、売り上げは7.6兆円に達しています。日本の生活にすっかり定着しているだけに、今回のレジ袋有料化も、業界を挙げて責任をもって臨まなければならないと考えています。そこで当協会は2019年にSDGs推進委員会を立ち上げ、委員長にココカラファイン代表取締役社長の塚本厚志氏、副委員長にトモズ代表取締役社長の德廣英之氏が就任し、積極的な取り組みを進めています。

小泉環境大臣:
おっしゃる通り、日本の国民生活において、スーパー、コンビニ、ドラッグストアはインフラです。社会で重要な役割を担っている皆さんが、有料化に前向きに取り組んでいただいていることは、環境省としてとても心強いですね。

消費者に環境意識が浸透し、有料レジ袋にクレームなし

消費者に環境意識が浸透し、有料レジ袋にクレームなし

田中氏:
4月1日から、全国のドラッグストアの約1/4にあたる5,137店舗でレジ袋有料化をスタートしています。各売り場では2月頃から、お客さまへの周知を図ってきました。

池野氏:
いろいろな苦言やクレームを覚悟していましたが、拍子抜けするくらいほとんどありませんでした。むしろ「そういう時代だよね」と賛同する声が多いのです。

德廣氏:
4月から先行して実施している店舗では、レジ袋の辞退率は6~8割。店舗によっては9割を超えています。プラスチックごみを減らそうという意識が消費者の皆さんに浸透していると感じます。

塚本氏:
7月1日からは99%の店舗で有料化がスタートしますが、これまでの実績をもとに自信をもって実施できると考えています(※6月中旬のアンケート回収時点で1%の店舗は検討中と回答)。

1年間に33億枚のレジ袋。これをどのように減らすか

1年間に33億枚のレジ袋。これをどのように減らすか

田中氏:
ドラッグストア業界だけでどれだけのレジ袋が使用されているか調べたところ、1年間に33億枚にも上りました。これは、レジ袋を平積みにした場合、富士山約18個分もの高さに相当するんです。これを減らしていくために、業界全体で削減目標を設定し取り組みを強化していきたいと考えています。

小泉環境大臣:
なるほど。富士山のたとえはとてもわかりやすいですね。今後、レジ袋使用量が減っていったとき、富士山17個分、16個分、などと表すと、消費者も自分たちの行動が着実に成果につながっていると実感できますね。

エコバッグ普及へ、各社がオリジナルエコバッグを販売

事例1 【マツモトキヨシ】レジ袋有料化の対応について

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事例2 【ウエルシア薬局】レジ袋有料化の対応について 事例3 【ココカラファイン】レジ袋有料化の対応について

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田中氏:
最後に主な企業のレジ袋有料化への対応を紹介します。

マツモトキヨシは、再生ポリエステル100%のプライベートブランドのエコバッグを販売。またレジ袋自体もバイオマス30%配合のものに順次、切り替えています。

ウエルシア薬局は「2025年までに、プラスチック製のレジ袋全廃宣言!」をし、北欧デザインブランドとコラボしたエコバッグを販売しています。

ココカラファインも4月からレジ袋有料化に加え、温暖化やエネルギー対策などSDGsのさまざまな取り組みを始めています。これからも協会と各企業がお客さまと一緒にレジ袋削減に取り組んでいこうと考えています。

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小泉環境大臣:
みなさん、ありがとうございます。7月1日からレジ袋有料化が本格的にスタートします。民間の皆さんが取り組みやすく、また国民から理解を得られやすい環境づくりとして、環境省は7月1日からキャンペーンを行い、皆さんを後押ししていくつもりです。今後も皆さんには環境省との連携をお願いしたいと思います。本日はリモートでの意見交換で、皆さんのお顔が遠くてよく見えないのが残念でしたが(笑)、ありがとうございました。

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