令和7年3月1日(土)、兵庫県神戸市のラッセホールで、「令和6年度プラスチック・スマートシンポジウム」を開催しました。
当日は会場で約60名、オンラインで約240名が参加しました。
【令和6年度プラスチック・スマートシンポジウムの開催内容】
■開催目的
近年、海洋プラスチックごみによる環境汚染、生態系、生活環境、漁業、観光業等への悪影響が懸念され、重要かつ喫緊の問題となっています。この問題の解決に向けては、各地域における自治体や企業等との連携の構築や効果的な取組の拡大が欠かせません。本シンポジウムでは、プラスチックとの賢い付き合い方を推進する「プラスチック・スマート」の取組の一環として、地域における取組の拡大に向け、開催地である兵庫県における官民連携の取組を紹介するとともに、自治体と企業等の連携に関するモデル事業である「ローカル・ブルー・オーシャン・ビジョン推進事業」や、環境省と関係府県で連携して瀬戸内海全体を対象に対策に取り組んでいる「瀬戸内海プラごみ対策ネットワーク」の取組を紹介し、海洋プラスチックごみ対策を地域で進めるための方策について議論します。
■開催概要
日時:令和7年3月1日(土)13:00 ~ 16:00
場所:ラッセホール5階 サンフラワー(兵庫県神戸市中央区中山手通4-10-8)
主催:環境省・兵庫県
■プログラム
(1)開会挨拶
松本 啓朗(環境省水・大気環境局長)
(2)基調講演
中山 直樹(環境省水・大気環境局海洋環境課海洋プラスチック汚染対策室長)
「海洋プラスチックごみ問題の現状と地域の取組推進」
(3)兵庫県取組事例発表
兵庫県 環境部環境整備課
「海洋プラごみ発生抑制に向けた兵庫県の取組」
(4)ローカル・ブルー・オーシャン・ビジョン採択自治体取組事例発表①
度会町 「まちぐるみで取組むプラスチックごみの減量・再資源化」
生駒市・対馬市 「産学官連携で取組むSDGs未来都市間でのESDプログラム開発」
今治市 「海岸アダプトプログラムを通じた市民協働で進める海洋プラスチック汚染対策」
(5)ローカル・ブルー・オーシャン・ビジョン採択自治体取組事例発表②
大台町 「プラスチックフィッシング大会を通じた宮川の保全と海洋プラスチック汚染対策」
静岡市 「プラモデルを通じた海洋プラスチックごみ問題に関する教育プログラムの取組」
唐津市 「海洋プラスチックごみ問題対策を通じたネイチャーポジティブ実現への取組」
(6)瀬戸内海プラごみ対策ネットワーク取組事例発表
大阪府 「テイクアウト飲料用カップ等の散乱防止モデル事業」
広島県 「新機能リサイクルボックスの新たな形での導入促進に向けた実証事業」
(7)パネルディスカッション「海洋プラごみ対策を地域でどう進めるか」
(写真)兵庫県による取組事例発表
シンポジウムでは、開催地である兵庫県が海洋プラごみ発生抑制に向けた取組事例を発表。小学校での環境学習、食品トレーのリサイクル等の取組等が紹介されました。
続いて、企業等と連携して海洋ごみの回収・発生抑制対策等のモデル事業を実施する自治体(ローカル・ブルー・オーシャン・ビジョン採択自治体)が取組事例を発表。まちぐるみで取組むプラスチックごみの減量・再資源化に取り組む三重県度会町、産学官連携によるESDプログラム開発に取り組む奈良県生駒市と長崎県対馬市、市民協働による清掃活動(アダプト・プログラム)などの海洋プラスチック汚染対策を推進する愛媛県今治市の活動が紹介されました。
(写真)取組事例の発表(三重県度会町)
シンポジウムの後半では、引き続きローカル・ブルー・オーシャン・ビジョン採択自治体が登壇。プラスチックフィッシング大会を通じて宮川流域の保全と海洋プラスチック汚染対策に取り組む三重県大台町、地場産業であるプラモデルを通じて海洋プラスチックごみ問題に関する教育プログラムの開発に取り組む静岡市、海洋プラスチックごみ問題対策を通じたネイチャーポジティブの実現に取り組む唐津市の事例が紹介されました。
その後は、瀬戸内海プラごみ対策ネットワークのモデル的アクションとして実証事業に取り組む大阪府、広島県が登壇。テイクアウト飲料用カップ等の散乱防止、自動販売機の横に設置した新機能リサイクルボックスの導入促進に関する成果と課題について発表しました。
(写真)取組事例の発表(広島県)
最後のプログラムでは、「海洋プラごみ対策を地域でどう進めるか」というテーマでパネルディスカッションを実施。清涼飲料業界によるペットボトルのリサイクル、食品トレーの資源循環型リサイクル等の取組事例を交えながら、地域の海洋プラごみ対策について議論しました。
(写真)パネルディスカッションの様子
さまざまな地域の自治体による取組事例やパネルディスカッションを通じて、海洋プラごみ削減に向けた地域のソリューションについて発信した「令和6年度プラスチック・スマートシンポジウム」。会場では各地域の関係者による交流も活発に行われ、今年も盛況のうちに閉会しました。