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に発見!プラスマアクション

“小さな変化”を大きな効果へ。さまざまな業界で着実に進むプラスチック容器包装の3R

レトルト食品や冷凍食品、調味料、スナック菓子などの食品類、洗剤、化粧品など、お店に並ぶ製品は、それぞれの製品に合わせたさまざまな形や色、魅力的なデザインのパッケージに包まれて販売されています。このようなパッケージを「容器包装」といいます。
多くの製品の容器包装にプラスチックが使われています。その理由は、プラスチックが持つ優れた特性にあります。
プラスチック容器包装は「軽くて丈夫」「製品に合わせて成形・加工がしやすい」「空気(酸素)や水を遮断する」「電気や熱の伝導率が低い」「雑菌・微生物の侵入を防ぐ」など、製品保護や販売のために必要な機能を備えています。例えば、マヨネーズの容器包装には、酸素や温度・湿度変化の影響を受けにくいプラスチック容器包装を用いることで、製品の劣化や風味の損失を防ぎ、長期保存が可能になっています。

《マヨネーズのプラスチック容器包装の例》

容器の工夫でマヨネーズの酸化を防ぐ
ポリエチレンの間に酸素をブロックするバリア層を挟み、多層構造にして酸化を防ぎ、品質を長期間保つ
(キユーピー)


衛生的で安全、便利なプラスチック容器包装ですが、私たちが使用した後は不要となり、廃棄物となってしまいます。そこで、プラスチック容器包装の3R(Reduceリデュース=減らす/Reuseリユース=繰り返し使う/Recycleリサイクル=資源として再利用)を目指して業界横断的な取り組みを推進しているのが、プラスチック容器包装リサイクル推進協議会(以下、プラ推進協議会)です。プラ推進協議会専務理事・久保直紀さんにプラスチック容器包装の資源循環について伺いました。

プラスチック素材の使用量を減らして廃棄物を少なく

プラスチックの3Rに向けては、各メーカーがさまざまな工夫をしていますが、「特に容器包装においてはリデュース、つまりプラスチックの使用量を減らし、廃棄物(ごみ)の発生も抑制したり、環境に配慮した容器包装の設計を進めたりすることを中心に、取り組んでいます」と久保さんは話します。

実際に身近な製品を例に、プラ推進協議会「2021年の3R改善事例集」から、リデュースに関する取り組みをいくつかご紹介しましょう。

①石けん・洗剤ボトルなどの簡易化・減量化
多くのメーカーでは洗剤やボディーソープ、シャンプーなどの詰め替えパックを販売しています。詰め替えパックは本体ボトルに比べ、プラスチック使用量を70~80%削減できます。また歯磨きチューブのラミネートを薄くしたり、製品に付いているアイキャッチラベルを廃止したりすることも、リデュースにつながっています。

《容器包装の工夫によりプラスチックをリデュースした例》

詰め替え製品ではボトルに比べ約70%のリデュース (クラシエホームプロダクツ)

②菓子類の容器包装の簡略化とコンパクト化
菓子類の包装も材質を見直したり、袋のプラスチックフィルムを薄くしたり、包装のサイズを小さくしたりしています。プリンのふたのフィルムの構成を変更することで、年間4トンものプラスチックを削減した例もあります。

《容器包装の工夫によりプラスチックをリデュースした例》

外袋のサイズの見直しとトレーをなくし、シリーズ平均で約39%/製品のリデュース (ブルボン)

③冷凍食品の容器包装簡易化
一部の冷凍食品にはトレーが使われていますが、ある製品ではトレーをなくすことで、プラスチック使用量を37%減らし、さらに再生プラスチックを包装材料の一部に使っています。また別のメーカーでは、食品を包んでいた内装フィルムを廃止したことで、年間で約34トンものプラスチックのリデュースを達成しました。

④パンの包装軽量化
衛生・品質保持を考慮した上で、パンを包む袋(フィルム)の厚さや大きさを見直し、薄くしたり軽量化したりしています。大手パン製造会社では、菓子パンの包装用袋を薄くすることで、プラスチック使用量を約30%減らしています。

《容器包装の工夫によりプラスチックをリデュースした例》

袋を薄くして約30%、約1.2トン/年のリデュース (山崎製パン)


このように、各メーカーが製品保護・品質保持とリデュースを両立するために、容器包装をよりタイトにしたり、詰め替え容器を作ったり、さまざまな工夫をしています。一つひとつの製品のリデュースは小さくても、消費量の多さを考慮するとその効果は大きく、2020年の実績では、リデュース率は2005年からの累計19.2%、累積リデュース量は114.977トンとなっています※1。

※1出典:プラスチック容器包装リサイクル推進協議会「2020年度目標と2020年度実績」

《プラスチック容器包装のリデュース率、リサイクル率の推移》

※プラスチック容器包装リサイクル推進協議会「プラスチック容器包装リサイクル推進協議会の活動」

プラスチック容器包装は何にリサイクルされている?

プラスチック容器包装識別表示マーク

次にリサイクルについて聞いてみました。製品の容器包装をよく見ると、このマークが付いています。これは「プラスチック容器包装識別表示マーク」といい、容器包装にプラスチックが使われているという目印。このマークを付けることで、消費者が分別しやすくなり、プラスチックのリサイクルを促進することを図っています。

では、私たちが分別して出したプラスチック容器包装は、どのように活用されているのでしょうか。「日本容器包装リサイクル協会」の2019年のデータによると、家庭から出される一般廃棄物のなかで、「容器」や「包装」はごみの容積の約60%も占めており、排出されるプラスチック容器包装は130.1万トンにのぼります。そのうち分別排出・市町村で回収されたプラスチック容器包装の量は74.1万トンで、44.1万トンが再生樹脂、パレット、園芸農業用資材やごみ袋などへと再製品化されています。分別回収された容器包装プラスチックが有効に活用されていることがわかります。
また、プラスチック容器包装のリユースに関しては、安全・衛生・技術面などの観点から課題もありますが、繰り返し使用に適した中身や容器包装のデザイン、仕組みなどについて検討が進んでいます。

《プラスチック容器包装から再製品化される例》

ごみ袋

園芸用プランター

3RプラスRenewable(リニューアブル)で目指すプラスチック容器包装の資源循環

「3Rに加え、私たちが力を入れているのがRenewable(リニューアブル)です」と久保さん。リニューアブルとは、現在の主流である石化(石油や他の化石燃料)由来のプラスチックを、植物由来で持続可能な資源のバイオマスプラスチックなどに転換すること。例えば、プラスチック容器包装の原料の一部にバイオマスプラスチックを使用すると、石化由来のプラスチック削減に加え、二酸化炭素の排出量削減の効果も期待できます。「今後も原料変更によるリデュースに取り組む企業が増えていくと予想されます」(久保さん)。

《バイオマスプラスチックを容器包装に使用した例》

トレーの素材にバイオマスプラスチックを配合 (ニチレイフーズ)

石化由来のプラスチックを、植物由来のバイオマスプラスチックに置き換え(日清食品)


お店の製品を手に取ったとき、「前よりもパッケージが小さくなったな」「包装が簡略化されているな」「手触りが変わったな」と気づいたら、それはメーカーの3RプラスRenewable(リニューアブル)の取り組みの成果かもしれません。そういった製品を積極的に選ぶことも、私たちにできるプラスマなアクションの一つ。そして使い終わったら、適切にリサイクルに回すことでプラスチック容器包装も新たな資源となり再生の循環に乗せることができます。

《だれがリサイクルに関わっているの?》

※日本包装容器リサイクル協会

Q.冷凍食品ってどのくらい消費されているの?

再生樹脂やパレット、プランターなどに再製品化されています。不要になったプラスチック容器も分別排出すれば、資源になるのですね。容器包装の3Rについて記事で詳しく紹介します。

私たちの身の回りにも、プラスチックスマートなアクションが溢れています!
身近なプラスマアクションを知ることから、はじめてみませんか?
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“小さな変化”を大きな効果へ。さまざまな業界で着実に進むプラスチック容器包装の3R

レトルト食品や冷凍食品、調味料、スナック菓子などの食品類、洗剤、化粧品など、お店に並ぶ製品は、それぞれの製品に合わせたさまざまな形や色、魅力的なデザインのパッケージに包まれて販売されています。このようなパッケージを「容器包装」といいます。
多くの製品の容器包装にプラスチックが使われています。その理由は、プラスチックが持つ優れた特性にあります。
プラスチック容器包装は「軽くて丈夫」「製品に合わせて成形・加工がしやすい」「空気(酸素)や水を遮断する」「電気や熱の伝導率が低い」「雑菌・微生物の侵入を防ぐ」など、製品保護や販売のために必要な機能を備えています。例えば、マヨネーズの容器包装には、酸素や温度・湿度変化の影響を受けにくいプラスチック容器包装を用いることで、製品の劣化や風味の損失を防ぎ、長期保存が可能になっています。

《マヨネーズのプラスチック容器包装の例》

容器の工夫でマヨネーズの酸化を防ぐ
ポリエチレンの間に酸素をブロックするバリア層を挟み、多層構造にして酸化を防ぎ、品質を長期間保つ
(キユーピー)


衛生的で安全、便利なプラスチック容器包装ですが、私たちが使用した後は不要となり、廃棄物となってしまいます。そこで、プラスチック容器包装の3R(Reduceリデュース=減らす/Reuseリユース=繰り返し使う/Recycleリサイクル=資源として再利用)を目指して業界横断的な取り組みを推進しているのが、プラスチック容器包装リサイクル推進協議会(以下、プラ推進協議会)です。プラ推進協議会専務理事・久保直紀さんにプラスチック容器包装の資源循環について伺いました。

プラスチック素材の使用量を減らして廃棄物を少なく

プラスチックの3Rに向けては、各メーカーがさまざまな工夫をしていますが、「特に容器包装においてはリデュース、つまりプラスチックの使用量を減らし、廃棄物(ごみ)の発生も抑制したり、環境に配慮した容器包装の設計を進めたりすることを中心に、取り組んでいます」と久保さんは話します。

実際に身近な製品を例に、プラ推進協議会「2021年の3R改善事例集」から、リデュースに関する取り組みをいくつかご紹介しましょう。

①石けん・洗剤ボトルなどの簡易化・減量化
多くのメーカーでは洗剤やボディーソープ、シャンプーなどの詰め替えパックを販売しています。詰め替えパックは本体ボトルに比べ、プラスチック使用量を70~80%削減できます。また歯磨きチューブのラミネートを薄くしたり、製品に付いているアイキャッチラベルを廃止したりすることも、リデュースにつながっています。

《容器包装の工夫によりプラスチックをリデュースした例》

詰め替え製品ではボトルに比べ約70%のリデュース (クラシエホームプロダクツ)

②菓子類の容器包装の簡略化とコンパクト化
菓子類の包装も材質を見直したり、袋のプラスチックフィルムを薄くしたり、包装のサイズを小さくしたりしています。プリンのふたのフィルムの構成を変更することで、年間4トンものプラスチックを削減した例もあります。

《容器包装の工夫によりプラスチックをリデュースした例》

外袋のサイズの見直しとトレーをなくし、シリーズ平均で約39%/製品のリデュース (ブルボン)

③冷凍食品の容器包装簡易化
一部の冷凍食品にはトレーが使われていますが、ある製品ではトレーをなくすことで、プラスチック使用量を37%減らし、さらに再生プラスチックを包装材料の一部に使っています。また別のメーカーでは、食品を包んでいた内装フィルムを廃止したことで、年間で約34トンものプラスチックのリデュースを達成しました。

④パンの包装軽量化
衛生・品質保持を考慮した上で、パンを包む袋(フィルム)の厚さや大きさを見直し、薄くしたり軽量化したりしています。大手パン製造会社では、菓子パンの包装用袋を薄くすることで、プラスチック使用量を約30%減らしています。

《容器包装の工夫によりプラスチックをリデュースした例》

袋を薄くして約30%、約1.2トン/年のリデュース (山崎製パン)


このように、各メーカーが製品保護・品質保持とリデュースを両立するために、容器包装をよりタイトにしたり、詰め替え容器を作ったり、さまざまな工夫をしています。一つひとつの製品のリデュースは小さくても、消費量の多さを考慮するとその効果は大きく、2020年の実績では、リデュース率は2005年からの累計19.2%、累積リデュース量は114.977トンとなっています※1。

※1出典:プラスチック容器包装リサイクル推進協議会「2020年度目標と2020年度実績」

《プラスチック容器包装のリデュース率、リサイクル率の推移》

※プラスチック容器包装リサイクル推進協議会「プラスチック容器包装リサイクル推進協議会の活動」

プラスチック容器包装は何にリサイクルされている?

プラスチック容器包装識別表示マーク

次にリサイクルについて聞いてみました。製品の容器包装をよく見ると、このマークが付いています。これは「プラスチック容器包装識別表示マーク」といい、容器包装にプラスチックが使われているという目印。このマークを付けることで、消費者が分別しやすくなり、プラスチックのリサイクルを促進することを図っています。

では、私たちが分別して出したプラスチック容器包装は、どのように活用されているのでしょうか。「日本容器包装リサイクル協会」の2019年のデータによると、家庭から出される一般廃棄物のなかで、「容器」や「包装」はごみの容積の約60%も占めており、排出されるプラスチック容器包装は130.1万トンにのぼります。そのうち分別排出・市町村で回収されたプラスチック容器包装の量は74.1万トンで、44.1万トンが再生樹脂、パレット、園芸農業用資材やごみ袋などへと再製品化されています。分別回収された容器包装プラスチックが有効に活用されていることがわかります。
また、プラスチック容器包装のリユースに関しては、安全・衛生・技術面などの観点から課題もありますが、繰り返し使用に適した中身や容器包装のデザイン、仕組みなどについて検討が進んでいます。

《プラスチック容器包装から再製品化される例》

ごみ袋

園芸用プランター

3RプラスRenewable(リニューアブル)で目指すプラスチック容器包装の資源循環

「3Rに加え、私たちが力を入れているのがRenewable(リニューアブル)です」と久保さん。リニューアブルとは、現在の主流である石化(石油や他の化石燃料)由来のプラスチックを、植物由来で持続可能な資源のバイオマスプラスチックなどに転換すること。例えば、プラスチック容器包装の原料の一部にバイオマスプラスチックを使用すると、石化由来のプラスチック削減に加え、二酸化炭素の排出量削減の効果も期待できます。「今後も原料変更によるリデュースに取り組む企業が増えていくと予想されます」(久保さん)。

《バイオマスプラスチックを容器包装に使用した例》

トレーの素材にバイオマスプラスチックを配合 (ニチレイフーズ)

石化由来のプラスチックを、植物由来のバイオマスプラスチックに置き換え(日清食品)


お店の製品を手に取ったとき、「前よりもパッケージが小さくなったな」「包装が簡略化されているな」「手触りが変わったな」と気づいたら、それはメーカーの3RプラスRenewable(リニューアブル)の取り組みの成果かもしれません。そういった製品を積極的に選ぶことも、私たちにできるプラスマなアクションの一つ。そして使い終わったら、適切にリサイクルに回すことでプラスチック容器包装も新たな資源となり再生の循環に乗せることができます。

《だれがリサイクルに関わっているの?》

※日本包装容器リサイクル協会

Q.冷凍食品ってどのくらい消費されているの?

家庭用冷凍食品は生産量が年々増え、2020年の売上高は業務用を超えました。冷凍食品業界はプラスマへの取り組みとして、パッケージに使うプラスチックの量を減らす工夫をしています。

私たちの身の回りにも、プラスチックスマートなアクションが溢れています!
身近なプラスマアクションを知ることから、はじめてみませんか?