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に発見!プラスマアクション

皆さんも利用しているはず!
プラスチック容器包装のリデュースが進む「冷凍食品」について調べてみました

家庭での食事やお弁当の頼もしい味方、冷凍食品。スーパーやコンビニの冷凍ケースには多種多様な冷凍食品が並び、ついつい手が伸びてしまいます。中には有名シェフや高級レストラン監修のものもあり、ステイホーム期間中に冷凍食品でちょっとぜいたくな食事を楽しんだ、という人も多いのでは?
家庭用冷凍食品の生産量は右肩上がりで増えており、2020年は前年比111.4%※1。売上高では初めて家庭用が業務用を超えました。そんな冷凍食品について、(一社)日本冷凍食品協会に教えていただきました。

※1出典:(一社)日本冷凍食品協会「令和 2 年(1~12 月)冷凍食品の生産・消費について」

※(一社)日本冷凍食品協会ホームページ・冷食ONLINE

ライフスタイルやニーズの多様化に応じて進化している冷凍食品

日本で冷凍食品が誕生したのは1920年で、魚を冷凍したものでした。その後しばらくは業務用を中心に製造されていましたが、冷凍冷蔵庫や電子レンジが一般家庭に普及するにつれ家庭用冷凍食品の生産量が増加。また1967年以降、全国各地に大型スーパーが開店して、冷凍食品を手に取りやすくなったことも、家庭用冷凍食品の普及に拍車をかけました。1984年にピラフ、グラタンなどの軽食が発売され、1988年には冷凍さぬきうどんが大ヒット。
また、1994年に電子レンジ対応のコロッケが発売。焼きたての味が楽しめる冷凍パンなども話題となりました。その後も惣菜、麺やご飯などの主食をはじめ、急速冷凍で栄養やおいしさをキープしたカット野菜やフルーツなど、冷凍食品のバリエーションは増え続けています。

バリエーションが豊富なのは中身だけではありません。製品ごとの個性も多様化しています。例えば、「ラップが不要で温められる」「自然解凍で食べられる」など、調理の手間をより省いたもの。パッケージ自体が食器となり、食後の食器洗いの必要がないチャーハンやパスタなどは、環境負荷軽減にもつながっています。さらには袋のまま電子レンジで温める際に、破裂したりやけどしたりするのを防ぐために、蒸気抜けの機能を備えた中華丼の具やあんかけ麺など、便利さと安全性を高める工夫も。冷凍技術、食品製造技術、衛生管理技術などの向上とともに、冷凍食品は私たちのライフスタイルの変化にあわせて進化しているのです。

冷凍食品の複雑な特性を支えるプラスチック容器包装

少し専門的なお話になりますが、製造―配送―販売―購入―使用の段階では包材や入れ物として製品を保護し、使用後には不要となり廃棄されることになる製品パッケージのことを「容器包装」といいます。冷凍食品の容器包装の大部分にプラスチックが使われています。

冷凍食品の容器包装にプラスチックが多用される理由は、冷凍食品特有の性質にあります。
一つ目は、温度変化への耐性です。例えば、ギョーザやシュウマイなどのトレー入りの製品は一般的に、トレーに製品をのせた状態で、トレーと製品をいっぺんに冷凍します。凍結工程で温度は-30度程度まで下がります。一方、電子レンジで調理する際には100度近くの高温環境にさらされます。したがってトレーや袋のままレンチンするような容器包装は、-40度くらいから100度以上までの温度変化に、耐えるものでなければなりません。

二つ目は、製品の品質を守ること。例えばコロッケなどの揚げ物は耐油性、水産物なら耐水性、また野菜の彩りをキープするためには遮光性など、容器包装には中身に応じて高度な機能が求められます。

三つめは、品質を長く保つことです。冷凍食品は-18度以下の低温で保存されるため、細菌が繁殖する心配はありません。しかし、空気に触れる(酸化)ことで品質の劣化や、栄養の損失を招いてしまいます。容器包装は酸化をなるべく防ぎ、品質をより長く保つ役割も担います。

冷凍食品の持つこのような特性に応えられる機能を有するのが、プラスチックの容器包装。プラスチック容器包装を使うことで、食品が保護され、おいしさや品質が長持ちして、フードロス削減にもつながっているのですね。

冷凍食品工場での製造の様子

冷凍食品のプラスチックリデュースへの取り組み

家庭用冷凍食品のニーズが高まり販売量が増える中、冷凍食品業界でも容器包装に使うプラスチック削減の取り組みが進んでいます。では、どのような工夫でリデュースを進めているのでしょうか。

①容器包装の仕様変更によるリデュース
各メーカーでは、容器としての強度はキープしつつ包装フィルムを薄くしたり、食品のサイズに合わせて袋のサイズをなるべく小さくしたりして、容器包装のコンパクト化を図っています。例えば、ある冷凍食品メーカーでは、軽食や麺類などの外袋をタイトにすることで、プラスチック使用量を年間約16トン削減できました。また、フィルムの袋を閉じる溶着技術を変更することも容器のコンパクト化につながります。溶着技術の変更により1袋の長さが10mm短くなったり、それに加え製品の大きさに合わせた、タイトな包装にしたりして長さが3~5%、幅が2~3%短くなり、そのぶんプラスチック使用量を削減できたケースもあります。

またトレー入りの冷凍食品については、トレーを薄くしたり、あるいはトレーそのものをなくしたりしているケースもあります。特にトレーをなくすのは簡単ではないようです。そもそも冷凍食品のトレーは、製品を冷凍する際には容器になり、また製造・配送などの各工程では製品を守る役割があります。トレーをなくすためには、冷凍後にトレーから製品を外したり、バラの状態になった製品を外袋に詰めたり、製品を搬送したりする際に、製品が欠けたり傷つかないようにするために工程や技術を変える必要があるといいます。

いずれもメーカーにとっては大掛かりな仕様変更となりますが、こういった努力によりプラスチック使用量を少しずつ削減。あるメーカーでは数種類の製品のトレーを薄くしたりして年間で約17.5トンものリデュースを実現しています。

②代替素材の使用によるリデュース
まだ多くはありませんが、一部の食品メーカーでは、トレーの素材にバイオマスプラスチックを配合し、プラスチック使用量を削減しています。先に述べたように、冷凍食品という性質上、素材の切り替えは簡単ではありませんが、製品にあわせた素材の“適材適所”として、非プラスチック素材の使用を検討するメーカーも、増えていくと考えられています。

冷凍食品メーカー各社は、このようなプラスチック容器包装の軽量化やコンパクト化など、容器包装リデュースのための研究・開発を進めています。一つひとつの製品のリデュースは数%でも、業界挙げて取り組むことで、2020年度は業界全体で当初の目標(対2004年度比22%削減)を上回る、28.5%のプラスチックのリデュースを達成しました。

《冷凍食品の容器包装の変更によるプラスチックリデュースの例》

パッケージの構成を見直し強度を保ったまま袋のサイズを縮小し、プラスチック使用量とCO2排出を削減
 (マルハニチロ)

トレーを薄くしさらに把手の幅を狭くし、プラスチックの使用量を減らした(ニチレイフーズ)

ギョーザのトレーをなくし37%プラスチックをリデュース (味の素冷凍食品)

私たちができるプラスマなアクションとは?

今回は、食品の保護や安全性・品質保持と、プラスチックのリデュースを両立するために、冷凍食品メーカーが行っている容器包装の工夫や、努力についてお伝えしました。これから冷凍食品を手に取った際には、容器包装にもぜひ注目してみてください。「以前より包装がぴっちりタイトになっている」「包装の素材や形が変わっている」「いつの間にかトレーがなくなっている!」など、ちょっとした変化を発見するかもしれません。

プラスチック容器包装識別表示マーク

そして冷凍食品を食べた後の容器包装は、できるかぎりリサイクルに回すこと。冷凍食品の袋などには、たいてい「プラスチック容器包装識別表示マーク」が付いています。これは容器包装にプラスチックが使われているという目印で、消費者が分別しやすくなり、分別排出・回収によるリサイクルを促進することを目的としています。
分別回収されたプラスチックは再資源化され、パレットや園芸用品、コンクリートパネル、ごみ袋などに生まれ変わります。お住まいの自治体でプラスチックの分別回収をしているなら、一般ごみとして捨てずに分別することが大切。そのアクションは、少しでもプラスチックをリデュースしようと努めているメーカーの思いを、さらにプラスチックの再資源化、循環へとつなげることになります。

Q.プラスチック容器は何にリサイクルされているの?

家庭用冷凍食品は生産量が年々増え、2020年の売上高は業務用を超えました。冷凍食品業界はプラスマへの取り組みとして、パッケージに使うプラスチックの量を減らす工夫をしています。

私たちの身の回りにも、プラスチックスマートなアクションが溢れています!
身近なプラスマアクションを知ることから、はじめてみませんか?
に発見!プラスマアクション

皆さんも利用しているはず!
プラスチック容器包装のリデュースが進む「冷凍食品」について調べてみました

家庭での食事やお弁当の頼もしい味方、冷凍食品。スーパーやコンビニの冷凍ケースには多種多様な冷凍食品が並び、ついつい手が伸びてしまいます。中には有名シェフや高級レストラン監修のものもあり、ステイホーム期間中に冷凍食品でちょっとぜいたくな食事を楽しんだ、という人も多いのでは?
家庭用冷凍食品の生産量は右肩上がりで増えており、2020年は前年比111.4%※1。売上高では初めて家庭用が業務用を超えました。そんな冷凍食品について、(一社)日本冷凍食品協会に教えていただきました。

※1出典:(一社)日本冷凍食品協会「令和 2 年(1~12 月)冷凍食品の生産・消費について」

※(一社)日本冷凍食品協会ホームページ・冷食ONLINE

ライフスタイルやニーズの多様化に応じて進化している冷凍食品

日本で冷凍食品が誕生したのは1920年で、魚を冷凍したものでした。その後しばらくは業務用を中心に製造されていましたが、冷凍冷蔵庫や電子レンジが一般家庭に普及するにつれ家庭用冷凍食品の生産量が増加。また1967年以降、全国各地に大型スーパーが開店して、冷凍食品を手に取りやすくなったことも、家庭用冷凍食品の普及に拍車をかけました。1984年にピラフ、グラタンなどの軽食が発売され、1988年には冷凍さぬきうどんが大ヒット。
また、1994年に電子レンジ対応のコロッケが発売。焼きたての味が楽しめる冷凍パンなども話題となりました。その後も惣菜、麺やご飯などの主食をはじめ、急速冷凍で栄養やおいしさをキープしたカット野菜やフルーツなど、冷凍食品のバリエーションは増え続けています。

バリエーションが豊富なのは中身だけではありません。製品ごとの個性も多様化しています。例えば、「ラップが不要で温められる」「自然解凍で食べられる」など、調理の手間をより省いたもの。パッケージ自体が食器となり、食後の食器洗いの必要がないチャーハンやパスタなどは、環境負荷軽減にもつながっています。さらには袋のまま電子レンジで温める際に、破裂したりやけどしたりするのを防ぐために、蒸気抜けの機能を備えた中華丼の具やあんかけ麺など、便利さと安全性を高める工夫も。冷凍技術、食品製造技術、衛生管理技術などの向上とともに、冷凍食品は私たちのライフスタイルの変化にあわせて進化しているのです。

冷凍食品の複雑な特性を支えるプラスチック容器包装

少し専門的なお話になりますが、製造―配送―販売―購入―使用の段階では包材や入れ物として製品を保護し、使用後には不要となり廃棄されることになる製品パッケージのことを「容器包装」といいます。冷凍食品の容器包装の大部分にプラスチックが使われています。

冷凍食品の容器包装にプラスチックが多用される理由は、冷凍食品特有の性質にあります。
一つ目は、温度変化への耐性です。例えば、ギョーザやシュウマイなどのトレー入りの製品は一般的に、トレーに製品をのせた状態で、トレーと製品をいっぺんに冷凍します。凍結工程で温度は-30度程度まで下がります。一方、電子レンジで調理する際には100度近くの高温環境にさらされます。したがってトレーや袋のままレンチンするような容器包装は、-40度くらいから100度以上までの温度変化に、耐えるものでなければなりません。

二つ目は、製品の品質を守ること。例えばコロッケなどの揚げ物は耐油性、水産物なら耐水性、また野菜の彩りをキープするためには遮光性など、容器包装には中身に応じて高度な機能が求められます。

三つめは、品質を長く保つことです。冷凍食品は-18度以下の低温で保存されるため、細菌が繁殖する心配はありません。しかし、空気に触れる(酸化)ことで品質の劣化や、栄養の損失を招いてしまいます。容器包装は酸化をなるべく防ぎ、品質をより長く保つ役割も担います。

冷凍食品の持つこのような特性に応えられる機能を有するのが、プラスチックの容器包装。プラスチック容器包装を使うことで、食品が保護され、おいしさや品質が長持ちして、フードロス削減にもつながっているのですね。

冷凍食品工場での製造の様子

冷凍食品のプラスチックリデュースへの取り組み

家庭用冷凍食品のニーズが高まり販売量が増える中、冷凍食品業界でも容器包装に使うプラスチック削減の取り組みが進んでいます。では、どのような工夫でリデュースを進めているのでしょうか。

①容器包装の仕様変更によるリデュース
各メーカーでは、容器としての強度はキープしつつ包装フィルムを薄くしたり、食品のサイズに合わせて袋のサイズをなるべく小さくしたりして、容器包装のコンパクト化を図っています。例えば、ある冷凍食品メーカーでは、軽食や麺類などの外袋をタイトにすることで、プラスチック使用量を年間約16トン削減できました。また、フィルムの袋を閉じる溶着技術を変更することも容器のコンパクト化につながります。溶着技術の変更により1袋の長さが10mm短くなったり、それに加え製品の大きさに合わせた、タイトな包装にしたりして長さが3~5%、幅が2~3%短くなり、そのぶんプラスチック使用量を削減できたケースもあります。

またトレー入りの冷凍食品については、トレーを薄くしたり、あるいはトレーそのものをなくしたりしているケースもあります。特にトレーをなくすのは簡単ではないようです。そもそも冷凍食品のトレーは、製品を冷凍する際には容器になり、また製造・配送などの各工程では製品を守る役割があります。トレーをなくすためには、冷凍後にトレーから製品を外したり、バラの状態になった製品を外袋に詰めたり、製品を搬送したりする際に、製品が欠けたり傷つかないようにするために工程や技術を変える必要があるといいます。

いずれもメーカーにとっては大掛かりな仕様変更となりますが、こういった努力によりプラスチック使用量を少しずつ削減。あるメーカーでは数種類の製品のトレーを薄くしたりして年間で約17.5トンものリデュースを実現しています。

②代替素材の使用によるリデュース
まだ多くはありませんが、一部の食品メーカーでは、トレーの素材にバイオマスプラスチックを配合し、プラスチック使用量を削減しています。先に述べたように、冷凍食品という性質上、素材の切り替えは簡単ではありませんが、製品にあわせた素材の“適材適所”として、非プラスチック素材の使用を検討するメーカーも、増えていくと考えられています。

冷凍食品メーカー各社は、このようなプラスチック容器包装の軽量化やコンパクト化など、容器包装リデュースのための研究・開発を進めています。一つひとつの製品のリデュースは数%でも、業界挙げて取り組むことで、2020年度は業界全体で当初の目標(対2004年度比22%削減)を上回る、28.5%のプラスチックのリデュースを達成しました。

《冷凍食品の容器包装の変更によるプラスチックリデュースの例》

パッケージの構成を見直し強度を保ったまま袋のサイズを縮小し、プラスチック使用量とCO2排出を削減(マルハニチロ)

トレーを薄くしさらに把手の幅を狭くし、プラスチックの使用量を減らした(ニチレイフーズ)

ギョーザのトレーをなくし37%プラスチックをリデュース (味の素冷凍食品)

私たちができるプラスマなアクションとは?

今回は、食品の保護や安全性・品質保持と、プラスチックのリデュースを両立するために、冷凍食品メーカーが行っている容器包装の工夫や、努力についてお伝えしました。これから冷凍食品を手に取った際には、容器包装にもぜひ注目してみてください。「以前より包装がぴっちりタイトになっている」「包装の素材や形が変わっている」「いつの間にかトレーがなくなっている!」など、ちょっとした変化を発見するかもしれません。

プラスチック容器包装識別表示マーク

そして冷凍食品を食べた後の容器包装は、できるかぎりリサイクルに回すこと。冷凍食品の袋などには、たいてい「プラスチック容器包装識別表示マーク」が付いています。これは容器包装にプラスチックが使われているという目印で、消費者が分別しやすくなり、分別排出・回収によるリサイクルを促進することを目的としています。
分別回収されたプラスチックは再資源化され、パレットや園芸用品、コンクリートパネル、ごみ袋などに生まれ変わります。お住まいの自治体でプラスチックの分別回収をしているなら、一般ごみとして捨てずに分別することが大切。そのアクションは、少しでもプラスチックをリデュースしようと努めているメーカーの思いを、さらにプラスチックの再資源化、循環へとつなげることになります。

Q.プラスチック容器は何にリサイクルされているの?

家庭用冷凍食品は生産量が年々増え、2020年の売上高は業務用を超えました。冷凍食品業界はプラスマへの取り組みとして、パッケージに使うプラスチックの量を減らす工夫をしています。

私たちの身の回りにも、プラスチックスマートなアクションが溢れています!
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