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特集ページ SPECIAL EDITION

ウミガメ クジラ

MESSAGE FOR YOU

あなたに気付いて欲しい。
このままでは、
2050年の海で泳いでいるのは
ごみばかりかもしれないこと。

海ごみ

プラスチックごみは今、世界中で注目されており、焼却による大気汚染、流出による海洋汚染だけでなく、生態系にも大きな影響を与えています。
例えば、海に流出するプラスチックごみの量は世界中で年間800万トン、2050年には海洋中の魚の量を超えるとの試算が出されています。
私たちの生活様式を見直さない限り、持続可能な社会・自然環境の構築はもとより、今の生活を続けていくことさえ難しくなることが予想されます。
正しい処理やリサイクル方法を広め、バイオマスプラスチックや代替素材などを理解しながら、プラスチックと賢く付き合っていくことが重要です。
環境省では、そうした様々な取り組みを推進し、さらに広げていくため「プラスチック・スマート」を実施しています。

LET'S JOIN! プラスマへの活動にご参加ください (団体のみなさま/個人のみなさま)

Plastics Smart ACTION 全国の取組事例

多くの自治体、企業、団体等が、みなさんの身の周りで、取組を広げています。

  • 佐川グローバルロジスティクス株式会社
    ペットボトルキャップとコンタクトレンズの空ケースの回収運動
    分ける・戻す
  • 株式会社百十四銀行
    社内回収プラスチック製クリアファイルを再生ごみ袋として再利用
    分ける・戻す
  • 歯ブラシリサイクルPJ In 愛媛
    歯ブラシリサイクルプロジェクト
    分ける・戻す

GOOD PRACTICE 優良事例の取材記事

プラスチック・スマートに関連した様々な取組の中から、特にプラスマ事務局が注目する方々に取材を行い、多種多様なプラスチックとの関わり方をご紹介します。

  • 環境省 プラスチック・スマート
    「プラスチック・スマートシンポジウム2024」を開催しました!

     令和6年2月10日(土)、愛媛県今治市のみなと交流センター「はーばりー」で、「プラスチック・スマートシンポジウム2024」を開催しました。

     当日は天候にも恵まれ、会場には今治市民を始め、150人以上が参加しました。


    【プラスチック・スマートシンポジウム2024の開催内容】

    ■開催目的

     環境省では、海洋プラスチックごみ問題の解決に向けて、海洋プラスチック汚染の実態を正しく理解し、不必要なワンウェイのプラスチックの使用削減や代替品の開発・利用及び分別回収・リサイクルに取り組むことなど、“プラスチックとの賢い付き合い方”を全国的に推進する「プラスチック・スマート」を展開しています。

     また、環境省では、自治体と企業が連携した海洋ごみ対策を推進するローカル・ブルー・オーシャン・ビジョン推進事業を実施しています。

    これらの効果的な取組事例を全国に広げていくことを目的とし、シンポジウムを開催しました。

    ■開催概要

     日時:令和6年2月10 日(土)13:00 ~ 16:00

     場所:みなと交流センター「はーばりー」(愛媛県今治市片原町1丁目100番地3)

     主催:環境省

    ■プログラム

    (1)開会挨拶

     藤井 好太郎(環境省水・大気環境局 海洋環境課 海洋プラスチック汚染対策室長)

    (2)歓迎挨拶

     徳永 繁樹 氏(今治市長)

    (3)基調講演

     藤井 好太郎(環境省水・大気環境局 海洋環境課 海洋プラスチック汚染対策室長)

     「海洋プラスチックごみ問題の現状と取り組みについて」

    (4)ローカル・ブルー・オーシャン・ビジョン採択自治体取り組み事例発表①

     広島県、京都府、和歌山県和歌山市

    (5)パネルディスカッション(第1部)

     テーマ:「海洋プラスチックごみ問題への関心の集め方について」

    (6)今治市の学生・市民団体発表

     ローカル・ブルー・オーシャン・ビジョン採択自治体取り組み事例発表②

      愛媛県今治市、SF キーパーズ、ビーチクリーンしまなみ

    (7)ローカル・ブルー・オーシャン・ビジョン採択自治体取り組み事例発表③

     三重県度会町、福岡県吉富町

    (8)パネルディスカッション(第2部)

     テーマ:「地域住民の参加の拡大や取り組みの継続のためには」


     

    (写真)今治市長による歓迎挨拶



     シンポジウムでは、企業等と連携して海洋ごみの回収・発生抑制対策等のモデル事業を実施する自治体(ローカル・ブルー・オーシャン・ビジョン採択自治体)が取組事例を発表。地域一体を巻き込みながら「スポーツ×海洋プラスチック」によるアクションプロジェクトに取り組む広島県、廃棄されるペットボトルを「西陣の織物」にアップ・リサイクルする仕組みの構築を目指す京都府、キャラクターである「ウミプラー」を活用した海洋ごみの発生抑制対策の展開を図る和歌山市の取組が紹介されました。

     事例の発表後には各自治体によるパネルディスカッションを実施、「海洋プラスチックごみ問題への関心の集め方」をテーマに、いかに市民を巻き込むか、どう自分事として捉えてもらうか等、活発な意見交換がされました。


     

    (写真)取組事例の発表(広島県)



     シンポジウムの後半では、開催地である今治市と学生・市民団体が登壇。自主的に清掃活動を行っている今治市湊・大新田海岸近隣住民と地域海岸への愛情を深めるプロジェクトに取り組む今治市、地元海岸の白砂青松保存プロジェクトに取り組む今治東中等教育学校SFキーパーズ、ビーチクリーンを通して人と人をつなげるビーチクリーンしまなみの活動が紹介されました。


     

    (写真)取組事例の発表(今治東中等教育学校SFキーパーズ)



     続いて、ローカル・ブルー・オーシャン・ビジョン採択自治体である度会町(三重県)、吉富町(福岡県)が登壇。SNSを活用した情報発信に取り組む度会町、アップサイクルワークショップに取り組む吉富町が、子ども達に向けた啓発を通じた家族や地域への波及を狙った事例を発表しました。

     最後のプログラムでは、「地域住民の参加の拡大や取り組みの継続のためには」というテーマでパネルディスカッション第2部を実施。若い世代への情報発信や地域への愛着醸成等の取り組み事例を交えながら、活動を継続することの重要性について議論しました。


     

    (写真)パネルディスカッション第2部の様子



     さまざまな地域の自治体、市民団体等による取り組み事例やパネルディスカッションを通じて、プラスチックとの賢い付き合い方について発信した「プラスチック・スマートシンポジウム2024」。会場内の参加者も含めて活発な意見が飛び交い、盛況のうちに閉会しました。


  • 環境省 プラスチック・スマート
    「プラスチック・スマートシンポジウム2023」の開催をしました。


    ■ 開催概要

    日 時:令和5年2月13日(月)13:00 ~ 16:30

    場 所:広島県民文化センター

    (広島県広島市中区大手町1丁目5-3)

    主 催:環境省


    ■ 開催目的

    環境省では、海洋プラスチックごみ問題の解決に向けて、海洋プラスチック汚染の実態を正しく理解し、不必要なワンウェイのプラスチックの抑制や代替品の開発利用、使用したプラスチックについてはポイ捨てせずに分別回収・リサイクルを徹底することなど、そうした“プラスチックとの賢い付き合い方”を全国的に推進する「プラスチック・スマート」を展開しています。「プラスチック・スマート」の効果的な取組を全国的に創出・推進していくことを目的とし、シンポジウムを開催いたしました。


    ■ プログラム

    (1)開会挨拶

    小野 洋(環境省地球環境審議官)

     

    (2)基調講演

    海野 光行(公益財団法人日本財団常務理事)

    「包括的海洋ごみ対策プロジェクト『オーシャンズX』について

    ~エビデンスやデータ、ステークホルダー連携の重要性~」

     

    (3)海洋環境施策説明

    杉本 留三 (環境省水・大気環境局水環境課海洋環境室長)

     

    (4)先進的な取り組み事例紹介

    広島県、大阪府、岡山県、北九州市

     

    (5)プラスチック・スマート優良事例アワード

     

    (6)パネルディスカッション(第1部)

    テーマ:「プラスチック・スマートで新たなアクションを」

     

    (7)パネルディスカッション(第2部)

    テーマ:「プラスチック・スマートの原動力となる人づくりとネットワーク」


  • 四日市市
    よっかいち海ごみゼロ大作戦!! 2022


    市民参加の海岸清掃活動で海ごみ問題啓発


    ●取り組み内容を教えてください。


    四日市市は令和4年10月2日(日)、海洋プラスチックごみ問題啓発を目的に、市民団体や地域の皆さんと協力し、吉崎海岸の清掃活動「よっかいち海ごみゼロ大作戦!! 2022」を行いました。この活動は令和3年から始め、2回目になります。


    ●取り組みにつながったきっかけを教えてください。


    四日市市は、東は伊勢湾に面し、海沿いに市街地、内陸に田園や鈴鹿山脈が広がる、自然が豊かで変化に富んだまちです。昭和30年代~40年代は四大公害病の一つ、四日市ぜんそくの問題がありましたが、市民、事業者、行政が力を合わせ乗り越え、今はきれいな空を取り戻しています。

    こうした過去を踏まえ、本市は環境に対し高い意識をもっており、海洋プラスチックごみ問題への取り組みにも力を入れているところでした。


    吉崎海岸は市内で唯一、砂浜が残っており、ハマヒルガオなどの貴重な海浜植物やシロチドリなどの野鳥、ウミガメなど多様な動植物が見られるほか、釣りスポットとしても親しまれています。

    吉崎海岸では平成21年から、NPO法人四日市ウミガメ保存会と楠地区の皆さんによる清掃活動が行われており、現在も毎月1回・年12回清掃活動をしていただいています。そのうちの1回に四日市市がご一緒させていただき、令和3年に始まったのが「よっかいち海ごみゼロ大作戦!!」です。


    勉強会や啓発グッズ、体験で、海プラ問題への興味・理解を深める


    ●当日の活動内容を教えてください。


    当日のスケジュールは

    8時  開会式

    8~9時 清掃

    9~10時 勉強会とパッカー車体験

    10時  終了


    当日は370人が参加し、ペットボトルやその他のごみ、流木など、約2トンを回収しました。

    清掃活動の後は、四日市大学教授による海洋プラスチックごみ問題に関する勉強会を行いました。海洋プラスチックごみやマイクロプラスチックは何が問題なのか。また、それが生態系、さらに自分たちの生活や体にどのような影響があるのかといったことを、小学生にもわかるようなやさしい言葉でお話をしていただきました。

    また、パッカー車(ごみ収集車)を会場に用意し、回収したごみをパッカー車に入れる体験も行いました。「働く車」を近くで見ることができ、お子さん・保護者たちに大変好評でした。



    ●勉強会やパッカー車の協力はどのようにして得たのですか?


    海岸清掃後の勉強会は、もともとNPOと地域の皆さんの清掃活動の時から行っていたもので、「よっかいち海ごみゼロ大作戦!!」でもお願いしました。

    また、四日市市の清掃事業は市直営で行っているため、パッカー車、運転手、作業員は自前で準備しました。パッカー車は、興味を引く「つかみ」として大変有効でした。


    ●市民の取り組みに市が協働したことで、清掃活動がどのように変わりましたか?


    一つめは、先に述べたパッカー車体験が加わったことです。


    二つめは、啓発グッズ制作です。市のマスコットキャラクター「こにゅうどうくん」があしらわれた大人用と子ども用のゴム手袋とマスクを用意し、参加賞として当日配布。これが大変好評でした。また生分解性プラスチックを25%配合した専用のごみ袋を用意しました。

    令和3年の活動では子ども用手袋とパッカー車体験はありませんでしたが、令和4年から取り入れました。


    三つめは、広報・啓発活動です。市の広報誌、地区市民センターで案内チラシを置くなど、行政らしい情報発信をすることで、大変多くの方に参加していただくことができました。


    既存の活動に市が協働することで効率的・効果的に啓発


    ●取り組みを成功させるポイントは何でしょうか?


    社会でプラスチックごみ問題がクローズアップされる中、その課題解決のために行政ができることといえば、市民への情報発信と啓発であり、逆に言えばそれしかできないともいえるでしょう。では、情報発信・啓発をどのように行うかを考えた時、行政がゼロから施策を構築するよりも、既存の優れた取り組みをしている方々と協働させていただく方が、効率的、効果的で意義のある施策になる。そう考え、四日市市の方からNPOと地域の皆さんに協働をお願いしました。


    NPOと地域の皆さんによる清掃活動の参加者は、おおむね100~150人と伺っております。今回、「よっかいち海ごみゼロ大作戦!! 2022」の参加者は370人となり、過去最高となりました。この点をとらえますと、グッズ制作、広報活動といった取り組みやPRの成果はあったと思います。ただしその数字は、もともとの活動のベースがあったからこそで、天狗になってはいけないと思っています。私たちの活動は年1回ですが、NPO、地域の皆さんは年12回、休まずやっているわけですから。


    ●今後、「よっかいち海ごみゼロ大作戦!!」でやってみたいことは何ですか?


    「よっかいち海ごみゼロ大作戦!!」は令和5年も継続して行う予定です。具体的な内容はこれから決めていきますが、四日市市が実施している他の施策も含めて、ごみの減量を広く啓発できないか考えています。たとえば、四日市市では食品ロスにも力を入れて取り組んでおり、四日市市の市の鳥「ゆりかもめ」をモチーフに生まれた「ゆりゾー」という食品ロス削減啓発キャラクターを売り出し中です。「こにゅうどうくん」と「ゆりゾー」をコラボレーションさせて今までに無かった新しい取り組みにつなげていきたいと思います。


    市民の潜在意識の掘り起こしこそ行政がすべき役割


    ●今回の取り組みで市民の意識はどのように変化しましたか?


    参加した方からは、「ごみ拾いは大変だと思っていたが、楽しかった」「海岸がきれいになって気持ちがいい」「次回も参加したい」という前向きなご意見をいただきました。また、「こにゅうどうくんグッズに惹かれて参加したけど、こんなにも海岸にごみがあることに驚いた」という声もありました。それを受け、環境や海洋プラスチックごみ問題に対し、何か活動したい、自分も力になりたいと考える市民は、私たちが思うより潜在的に存在しているという思いを強くしました。


    環境やごみ問題への意識の醸成も大切ですが、その前に、市民が潜在的にもっている気持ち、意識を掘り起こしたことが、今回の取り組みの成果であり、行政として非常に意義のあることだったと思います。気楽に取り組んでいただける、自主的に参加できる仕組みを作ることが、今後も行政に求められると思います。



    ●このような取り組みを他の自治体が真似したいと考えた時、「こうすればうまくいくよ!」というアドバイスはありますか?


    海洋プラスチックごみ問題は、行政だけで取り組むのは難しいところがあり、四日市市の場合はNPOと地域の皆さんの既存の活動に“乗っからせて”いただき、広報・グッズ制作など行政ができる役割をすることで市民や企業を巻き込んだ大きな活動にすることができました。同様に、どの地域にも意欲的に活動する市民や、地域貢献に熱心な事業者の方がいらっしゃると思います。そういった方々と協働・連携することで、より多様で幅広い層にアプローチできると思います。


    また、清掃活動に勉強会やパッカー車体験という付加価値が加わったことで、海洋プラスチックごみ問題への興味・理解を深めることができました。こうしたアイデアは他の自治体や団体も活用できると思います。自治体によってはごみ収集業務を民間に委託しているところもありますが、民間事業者さんも、ごみの減量や環境問題には高い意識をお持ちだと思います。行政が「ごみの減量や環境問題の解決のために力を貸してほしい」とお願いすれば、快く応じてもらえるのではないでしょうか。


    お話:四日市市環境部参事兼生活環境課長 中山 憲治さん




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